巨大なデータ時代によりストレージに大容量を求める声が多くなってきました。当店でも50TBクラスなら定期的に納品しておりますが、200TBクラスのストレージを要望されるお話も出てきました。こういったお話にお答えするのは困難でしたが、HDDを60本搭載出来るエンクロージャを入手いたしました。
富士通のJX60というエンクロージャーです。
外観はこのような筐体です。
上蓋を開けるとこのようにHDDを搭載出来ます。立て刺しで60本です。
背面はこのように電源が4台とコントローラが1台ついています。コントローラはSFF-8644となります。
電源を入れてみますとこのように前面にHDDのランプが点灯します。60本認識しています。
このままでは認識しませんので、同じ富士通のRX200S8をコントロールサーバに、そこに外部向けRAIDカードPY-SR3PR2を搭載しました。OSはWindowsServer2012R2 Stdを使用。
JX60は電源スイッチがありません。RAIDカードと連動します。RAIDカードがJX60を認識しますと電源が入るようになります。電源を切るときはサーバをシャットダウン後に電源ケーブルを抜くことになります。
RAIDカード上から無事認識出来たのですが、WebBIOSでは本数が多すぎて設定できませんでした。
そこでOSにMSMをインストールしまして設定を行いました。
ちょっとわかりにくいですが、左のメニューにNL-SAS 2TBのHDDを60本認識出来ております。
ここからRAIDを構成しますが、LSIのWebBIOSは1つのLUNでは32本までしか登録できません。そのため30本でRAID6を2つ作りストライピングしてRAID60を設定しました。
2TBx30をRAID6=約50TB。ストライピング化で約100TBの容量を確保出来ました。OS上でもボリュームを認識出来ました。
ここでベンチマークを行ってみました。CDMで計測しました。
シーケンシャルは十分な速度です。これだけの大容量でこの速度であれば十分使えます。IOPSはそれほど高くありませんのでVM等の仮想用ストレージには向いていません。
動作中にPDU上から電気の消費量を確認しましたら14Aほどを表示していました。ブレーカーの容量には要注意です。
ここまで見ますと非常におもしろい機器ですが、値段もそれなりの額となります。
新品での定価は約200万です。HDDはもちろん入っておりません。エンクロージャなのでコントロールサーバが必要です。外部向けRAIDカードも必要です。それなりの投資は必要ですが、4U(+サーバ)でこれだけのHDDを搭載出来るエンクロージャは魅力的です。このRAIDカードは8TBも認識できますので8TBx60本を組むことができるはずです。約400TBのストレージも夢ではありません。リスクも御座いますがその分コストは低く抑えられますので案件に合わせて頂くのが良いかと思います。