2015年7月 のアーカイブ

ファイルサーバー・ストレージのあれこれ、初級編(第七回)

2015年7月27日 月曜日
この記事を読むのにかかる時間の目安: 約 1 分 14 秒

■可用性の指標の判断基準

前回の記事で解説した可用性について、判断基準としてはどれくらい必要なのでしょうか?
長期間、24時間稼働すると考えて年間どれくらいの時間システムダウンが起こるかという観点で考えると判断基準が見えてきます。

■稼働率とは?

稼働率の算出式(仮に完全に無停止なシステムが存在すれば100%となります)
MTBF÷(MTBF+MTTR)

しかし漠然と数字だけ出されても、ピンと来ないのではないでしょうか?
80%で安全?90%は?
数値から導き出されるシステムダウン時間を元に考えてみます。

■稼働率から導き出されるシステムダウンタイム

サーバーシステムは年間を通して稼働するものです。
そこで年間のシステムダウン時間を算出して稼働率について考えてみます。

年間の稼働時間
365日=8760時間

まずは稼働率90%のシステムが年間稼働した場合に想定されるダウンタイムは下記の通りになります。

8760時間 x (1 – 0.9) = 876時間 = 約36日半

なんと年間の内の1ヶ月近くはシステムダウンしている計算になります。
では稼働率99%あればどうなるでしょうか?

8760時間 x (1 – 0.99) = 87.6時間 = 約3日半

なんとそれでも三日間停止してしまいます。
まとまって三日間止まるとは限らないが、この基準の稼働率では企業活動の生産性に大きな悪影響が出ると考えられます。

「稼働率99%は優秀な数字ではない」

ここはしっかりと意識して機種選定する必要があると思われます。

■稼働率から算出されるシステムダウン時間一覧

稼働率   システムダウン時間(年間)
90%     36日半
99%     3日半
99.9%    8.7時間
99.99%   52分
99.999%  5.25分

サーバーシステムの稼働率ももちろん重要ですが、ストレージシステムがシステムダウンすればいくらサーバーが正常に作動していてもデータ参照・更新ができなくなります。
ストレージシステムについては特に高い稼働率が求められると考える必要があるでしょう。
次回はストレージ・アレイの信頼性を高めていくための機能について解説いたします。
それでは

ファイルサーバー・ストレージのあれこれ、初級編(第六回)

2015年7月17日 金曜日
この記事を読むのにかかる時間の目安: 約 2 分 17 秒

■ストレージ選定の指標について

サーバーシステムにストレージ・アレイを組み込む場合に検討するべき事項について解説していきます
システムによってどの要素を重視すべきか、コストが合わない場合にどこを削るべきかの参考になれば幸いです。

ストレージ・アレイの選定に必要な要素は大まかには5つとなります。
・信頼性(Reliability)
・保守性(Serviceability)
・可用性(Availability)
・性能(Performance)
・拡張性(Scalability)

提供するサービス、提供対象によって重視する部分を見極めることが重要です。
今回はそれぞれについて解説してきます。

■信頼性(Reliability)

簡単に言ってしまえば「故障のしにくさ」です
故障頻度が低く長期間運用を続けられることが信頼性の高いと言うことになります。
ストレージ・アレイの場合はRAID対応や冗長パーツなどで一部故障時にも運用を続けられる様になっているのも信頼性の向上に関わります

信頼性の指標はMTBF(Mean Time Between Failure)
この値は「システム稼働時間÷故障回数」で求めることができ、システムの連続稼働時間の平均値となります

■保守性(Serviceability)

保守性は故障時の復旧能力の高さによって決まります。
故障時の修復時間を短縮するための機構や、メーカーサポートの保守体制なども含める。
HDDを始めとした各パーツのホットスワップ機能、故障検知機能と通知機能、メーカーのサポート体制などの要素が考慮されます

保守性の指標はMTTR(Mean Time To Repair)
「修理(復旧)時間÷故障回数」で求め、システムの故障から復旧までの時間の平均で表します。

■可用性(Availability)

可用性とは信頼性と保守性の要素が含まれています。
システム故障などで停止しない能力や、ユーザーへの有用性の事です。
ストレージ・アレイにとって運用においてもっとも重要な要素とも言えます。

可用性の指標は稼働率
「MTBF÷(MTBF+MTTR)」で求め、ある特定の稼働時間において、必要とされる機能やサービスの維持ができる割合を表します。

■性能(Performance)

ストレージ・アレイの処理数や処理速度に対する指標です。
「スループット」「レスポンスタイム」などの観点から「IOPS」「MBPS」などの指標で表現されます。
IOPS(Input/Output Operations per Second)は時間あたりのデータ処理数を示す指標
データを処理する際にサーバーはデータをブロックサイズという小さなデータに分割して処理します。
この「ブロックサイズ」を1秒で何回処理できるかを現した値です。

当然サーバー側にもIOPSがあるので、サーバー(またはサーバー群)がストレージ・アレイに対してどれだけのIOPSでデータ処理をしているのかを計測して、その性能に見合ったストレージ・アレイを用意することが大事です。

またストレージ・アレイのカタログなどにIOPSが表記されていることもあるが、内部のHDDやRAID構成によっていくらでも変動するのであくまで参考としてチェックしてください。
あくまで運用する構成でのIOPSが重要です。
MBPS(Mega bytes per Sec)はサーバ・ストレージ間の秒間辺りのデータ転送量となります。
単純にシーケンスのデータ転送量だけ求められる映像配信サーバーなどで重要視される指標です。

■拡張性(Scalability)

将来的にシステムの負荷が上がったりユーザーが増えた際に対応できる拡張性があるかどうかの指標

将来的に負荷が増える予定であれば、コントローラーユニットやインターフェースボードの増設が可能かどうかといった点をチェックして機器選定をするべきです。

■まとめ

今回はストレージ・アレイ選定において重要視するポイントについて解説しました。
もちろんこういった条件に加えてコスト面、設置環境などの条件も含めて選定にあたってください。
次回は今回話題に上げた可用性について、もう少し突っ込んで解説します。
それでは。

ファイルサーバー・ストレージのあれこれ、初級編(第五回)

2015年7月13日 月曜日
この記事を読むのにかかる時間の目安: 約 1 分 21 秒

■Windows Storage Server 2012 R2によるファイルサーバーシステム

NAS・SANにしてもDASにしても専用ストレージの導入にはそれなりのコストがかかります。
そこでWindows Storage Server 2012 R2導入のファイルサーバーで低コストの共有ストレージを導入するという考え方も一つの選択肢となってきます。
(実は各社から販売されているNASなども、Windows Storage Serverインストールモデルは多いです)

今回はWindows Storage Server 2012 R2の利点について解説していきます。

■Windows Storage Server 2012 R2ファイルサーバーの利点

一つはインターフェースがWindowsということで普段使い慣れた形で扱える点です。
共有フォルダごとのユーザー権限の設定なども細かく設定できるのが強みです。

転送プロトコルがSMB3.02に対応しているため、Windows 8.1クライアント環境でのファイル転送速度も旧来の物と比べて相当早くなります。

データ重複排除機能など、従来であれば高機能ストレージ商品にしかなかった機能が標準で使用できます。

またサーバー本体を拡張することで将来的に容量や速度が足りなくなった場合に、ある程度は対応できることも大きいです。

■エントリータワーサーバー + WSS2012R2 WG

価格感としてはエントリーモデルで下記の価格帯からご用意できます。

新品 Fujitsu PRIMERGY TX1310M1 3.5インチ Cel G1820 WindowsファイルサーバWG内蔵モデル
81,000 円 (税込)
TX1310 M1

タワーサーバーベースなので用途に合わせてカスタマイズもかなり柔軟に対応できます。

・容量UP
・RAIDカード追加でRAID 5対応
・4Portのネットワークカードを追加してチーミング設定で転送速度を上げる

逆に弊社で販売しているサーバーで「このサーバーでWSSを組んで欲しい」というご要望があれば、対応をお調べした上でお見積もりいたします。

■まとめ

Windows Storage ServerはOS単体での入手ができないため、手前味噌でありますが弊社販売商品の様にカスタマイズや機種変更に対応している点は非常に強くお勧めしております。

ストレージの新設・リプレースをお考えであれば、ぜひご検討ください。

HP Network Switch特価品が入荷いたしました。

2015年7月8日 水曜日
この記事を読むのにかかる時間の目安: 約 0 分 11 秒

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10Gigabit対応スイッチも格安です。

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