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Z800を使用して作成したデータを共有ストレージに保管する際、一般的なNASを使用しますが、エクセルやpdfのように数MBであれば気になりませんが、巨大な動画データであれば数GBありますので、データの転送に時間がかかります。そこで今回は転送時間を短縮するため10GbEのカードをz800に搭載し、ストレージ側も10GbEを搭載したInfortrend EonNAS850-2を採用してネットワーク直結を行ってみました。世の中で広く使われている1GbEの転送速度と超高速10GbEでの速度差を検証してみます。
①z800にNICを搭載。10GbNICの選定は難しく、何でも良いというわけではありません。一番無難なNICとしてはインテル x520となりますが今回は在庫がなかったため、82599搭載NICを取り付け。
②850-2へダイレクトアタッチケーブルを使用して直結します。
③z800と850-2にポートにIPをふります。今回は直結なのでセグメントを分けます。z800を10.0.0.4、850-2を10.0.0.5で登録。
④今回はiSCSIを使用します。一般的なNASではCIFSになりますが、以前の実験で10GbEの環境でCIFSはそれほどパフォーマンスが出ませんでした。速度重視なのでiSCSIを使用します。
⑤z800上のWindows7でiSCSIイニシエータを設定。
⑥850-2側でiSCSI用のボリュームを作成。
⑦z800と850-2でiSCSIイニシエーターを行い、ボリュームを接続する。その後、OS上でフォーマットを行うことでボリュームが追加され完了となります。
以上で設定は完了となりましたので、ここからは接続転送実験となります。
まずは850-2へNASとして接続している領域にCDMで計測。
続いて、850-2へiSCSIとして接続している領域にCDMで計測。
当たり前ですが、段違いでiSCSIが速いです。
今度は10GBのデータを送ってみたときの速度を計測します。
まずは850-2へNASとして接続している領域にデータを書き込み。
続いて、850-2へiSCSIとして接続している領域にデータを書き込み。
両方とも大きな変化がありません。おそらくHDD側の転送速度の問題のようです。
そこで、SAS HDDを3台搭載し、OS上でRAID0を構成して大幅な速度アップした内蔵ストレージからの転送を測定しました。
まずは850-2へNASとして接続している領域にデータを書き込み。
続いて、850-2へiSCSIとして接続している領域にデータを書き込み。
やはりZ800に内蔵しているHDDが問題でした。これで10GbEのパフォーマンスを十分発揮できる形にできました。
結論
Z800に限らず、ワークステーションで高速外部ストレージを有効に使うには
①HDDまたはSSDを複数本搭載し、RAID0を組む。
②10GbEのネットワークカード搭載。(インテル X520)
③10GbEを搭載したRAIDストレージユニットを設置(EonNAS 850-2)
以上の構成で巨大なデータも高速で転送でき、本体ではまかないきれない大きなデータも保管できます。注意する点としてiSCSIはNASのように共有できません。WS内部のHDDはRAID0なのでHDD故障時はデータがロストとなります。
今回はZ800で行いましたが、他機種でも構成可能です。また、ご希望の構成に変更も可能ですのでお気軽にお申し出ください。