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今回、NVMe規格 Intel P3700 800GB が当店初入荷いたしました。早速、検証してみました。
Intelの刻印がかっこいいです。背面はこんな感じです。
全面ヒートシンクです。熱がすごいようです。
使用した本体はPRIMERGY RX2530M1の10ベイモデル。写真のように、左4ベイがSAS・SATA・NVMeの共有ベイになっています。
NVMeはWindowsServer2012R2上ではドライバが必要になります。PRIMERGYのドライバサイトでドライバを入手し適応することで、OS上からNVMeが認識出来ます。
今回の検証は下記の構成で行いました。
●ベンチマークソフト
クリスタルディスクマーク5(1GBと16GBで検証)
IOMeter(Random 100%、Read 40%、Write 60%、4K、Worker 8、データサイズ 10GB)
●RAIDカード
PRIMERGY現行のD3216 2GBキャッシュ(LSI SAS3108ベース)
●Storage
NL-SAS:Seagate製ST91000640SS 6Gb NL-SAS 1TB 7.2K x8台
SAS:Seagate製ST300MM0006 6Gb SAS 300GB 10K x8台
SSD:東芝製 PX02SMF080 12Gb SAS 800GBx8台
NVMe:Intel P3700 800GB 2.5インチタイプ
それでは、クリスタルディスクマークでの検証です。
NL-SAS(1GBデータ RAID5 AlwaysWriteBack)
NL-SAS(16GBデータ RAID5 AlwaysWriteBack)
容量対コスト(1本当たり約3万)を考えますとそこまで酷い値では無いので低負荷の仮想OSを数台やファイルサーバに向いています。高耐久性なので故障リスクも低いです。
SAS(1GBデータ RAID5 AlwaysWriteBack)
SAS(16GBデータ RAID5 AlwaysWriteBack)
RAIDカードのキャッシュ内であれば十分使える速度ですが、キャッシュから溢れた16GBではかなりの性能ダウンです。それほど負荷のかからない環境での運用で、耐久性重視でしょうか。NL-SASと比べるとWrite数値に大きな差が無いのも気になります。コスト面から考えるとアドバンテージが低いです。
SSD(1GBデータ RAID5 AlwaysWriteBack)
SSD(16GBデータ RAID5 AlwaysWriteBack)
シーケンシャルはずば抜けたスピードですが、ランダムWriteがイマイチです。これは他の機器でも同じでした。おそらくRAIDカードの特性上、仕方ないようです。16GB時はランダムWriteが更に低下。ちょっとおもしろくない数値です。
ならばリスクを承知でRAID0で検証しました。
SSD(1GBデータ RAID0 AlwaysWriteBack)
SSD(16GBデータ RAID0 AlwaysWriteBack)
期待するほどの数値ではありませんでした。この結果からSSDを束ねてもSASよりは速いですが大幅な性能アップは見込めません。PCサーバでは搭載RAIDカードに限界があるようです。より高速性を求めるのであれば高性能外部ストレージと16Gb FC接続になりそうです。検証機が入手出来ましたら実験いたします。
NVMe(1GBデータ)
NVMe(16GBデータ)
シーケンシャルもしっかり出ていて、なによりもランダムWriteの性能がSSDに比べて一気に向上しています。
1GBでも16GBでもほぼ同じ値です。自身がメモリの塊みたいな物なのでビクともしません。
IOMeter SAS RAID5 AlwaysWriteBack
IOMeter SAS RAID5 AlwaysWriteBack
IOMeter SSD RAID5 AlwaysWriteBack
IOMeter NVMe
やはり、IOPSはSSDを束ねるよりもNVMe 1本の方が高速です。約3.6倍です。SASと比べると30倍です。ここはデータベースや複数の仮想化を処理するのに必須です。
【まとめ】
NL-SAS、SAS、SSD、NVMeと比べてみましたが、用途に合わせてStorageを変えることが望ましいです。
NL-SAS(良い面)
サーバやストレージでRAID運用時に耐久性の高いHDD。故障率は低い。故障した場合も音や動き、ホットスワップトレイで目視しやすい。コスト面でも耐久性考えればリーズナブル。低負荷環境で長期間運用時にベストなHDD。
NL-SAS(悪い面)
SSD、NVMeと比べるとランダムアクセスの遅さが明確。SAS HDDより遅い。7,200rpmなので仕方ない。
SAS(良い面)
耐久性の必要な環境に最適。設計が24x365x5年を目安に作られているため中々故障しない。故障した場合も音や動き、ホットスワップトレイで目視しやすい。
SAS(悪い面)
SSD、NVMeと比べるとランダムアクセスの遅さが明確。NL-SAS HDDよりは速い程度。容量対コストを考えると運用条件に当てはまらないと厳しい立場。
SSD(良い面)
シーケンシャルが爆速。大容量・超高速が必須の映像編集向け。IOPSもSASの10倍以上の性能なので細かいデータのやりとりが多いDBや仮想化に最適。
SSD(悪い面)
複数本のSSDは突然死のリスクが高いためデータロストの危険が常につきまとう。バックアップは絶対必要。SSDのメーカーによって性能差がバラバラ。購入するSSDの選定から始めないと行けない。PC向けは安いがサーバ向けは高価なので運用方法とコストを考えて割り切る事が必要。
NVMe(良い面)
シーケンシャル、ランダムともにバランス良く高速。データベースサーバ、仮想化環境に最適。
NVMe(悪い面)
NVMeを標準搭載したサーバの絶対数が少ない。1本当たりの価格が高いため容量を増やすことが大変。
現状ではサーバの選び方はStorageの選び方になってきています。用途に合わないサーバを手配しますといくらCPUが高性能でも遅いサーバになってしまいます。当店では色々なパーツを組み合わせてご提案いたしますのでご不明な点がありましたらお問い合わせください。