節電の決め手!負荷時消費電力35ワットのAtomサーバ

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「消費電力が少ない」と言われている Atom サーバですが、実際どれほど節電効果があるのか、当店にて実験してみました。

測定内容

測定内容は、以下の通りです。

測定したハードウェア


Supermicro SuperServer 5015A-EHF-D525
M/B : X7SPE-HF-D525
CPU : Intel Atom D525 ( 2Core / 1.83GHz )
RAM : PC3-10600 nonECC 2GB (PC3-8500として動作)
HDD : 7200rpm SATA 3.5inch HDD 80GB (ST380815AS)
OS : Windows Server 2008 R2
(ベアボーン製品に、メモリとHDDを搭載しカスタム済み)

当店におけるSuperMicro 社の一番人気機種、Intel Atom CPUを搭載したハーフ1Uサイズの小型サーバです。

測定した内容

以下の4項目を測定しました。
(1) 待機電力
(2) アイドル時
(3) CPU/メモリ 負荷時
(4) CPU/メモリ/HDD 負荷時

テスト内容について

・CPU負荷テストには「PRIME95」を使用
・メモリ負荷テストには「メモリーストレス検査ツール Ver1.00」等を使用(複数のソフトを併用)
・HDD負荷テストには「CrystalDiskMark 3_0_0d」を使用
・電力測定には、ワットチェッカーを使用
・いちばん消費電力が高くなった瞬間の数値を記録しています。
・テストはすべて手動で行っているので、ある程度の誤差が発生する可能性があります。

結果

以下のような結果になりました。比較用に、以前の計測で消費電力が低かった機種を併記します。

機種名 待機電力 アイドル時 CPU・メモリ
負荷時
CPU・メモリ・HDD
負荷時
処理速度
(Passmark)
SuperServer
5015A-EHF-D525
0W 30W 33W 35W 713
TX100 S2
(1x2GB)
0W 30W 90W 103W 3893
TX120 S2 5W 62W 93W 98W 1794

負荷による消費電力の変化をグラフにしてみました。


まさに省電力!以前の計測で低消費電力を記録したサーバでさえ、負荷時は大きく引き離しています。アイドル時こそ TX100 S2 と同じですが、負荷時消費電力は約 3倍の差です。

最近のCPUは省電力機能が進化しているおかげで、アイドル時はAtomと同程度に収まっているようです。しかし、負荷が高まると消費電力は大きく増え、100W前後になります。それに対して、Atomサーバは負荷がかかっても30W台をキープ。

計測時は旧世代の3.5インチ SATA 80GB HDD を使っているので、最新のHDD / SSDを利用すれば、もっと消費電力が減るはずです。

負荷の軽い用途に

唯一にして最大のネックは、CPUが遅いことです。Netbutst Xeon のシングルコア 1CPUと同程度でしょうか。メモリ容量も限られるので、あまり高速な処理はできません。

Web サーバ等も動作できますが、たとえば php / MySQL をインストールして WordPress 等を動かした場合、規模が大きくなると負荷が心配です。

やはりファイルサーバ向けの利用が最適でしょうか。超小型サーバなのでスペースが限られますが、2.5インチHDD(SSD)なら2台搭載できるので、RAID1も構築できます(サポート外になりますが、本体内部を見たところ、頑張れば2.5インチHDDを4台くらい搭載できるくらいのスペースはありました)。
「仮想サーバではなく、複数台の物理サーバが必要」な場合にも使えます。発熱も少なく動作音も低い(今回の機種は、電源以外ファンレス)なので、オフィスの社内サーバにも最適です。

ちょっと特殊なサーバなので万人向けと言い難い部分はありますが、意外と色々な使い方ができそうですね。


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