旧型サーバを最新エコサーバにリプレースして、節電目標を楽々クリア!
節電の機運が高まっています。
サーバも、その例外ではありません。節電目標 25%のクリアに頭を悩ませているシステム管理者も、かなり多くいらっしゃると思います。
最新のサーバは、旧型サーバよりも、ずいぶんと低消費電力化が進みました。サーバをリプレースするだけでも、ずいぶんと消費電力を減らすことができます。
最近はメーカーもサーバの省エネをウリにしているのですが、いまいちその実感が沸かない方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで、当店にてサーバの消費電力を調査してみました。
テストに使った機種とその条件は、以下の通りです。
4/27 : DELL PowerEdge 1950 (Xeon E5430) の計測結果を追加。
4/28 : PRIMERGY RX300 S5 (Xeon X5570), RX300 S6 (Xeon L5630x2), RX200 S6(Xeon X5670x2) の計測結果を追加。
5/6 : IBM System x3755 (Opteron 8222SEx4)の計測結果を追加。
5/16 : PRIMERGY RX300 S6の結果を訂正。
当時は当店でもベストセラーだった、2Uラックマウントサーバです。クロックは高いですが旧世代なので、負荷の高い処理を行うには少々キツいと言えます。消費電力も気になるところです。
CPU : Intel Xeon 3.8GHz x2 (2Core) / Netburst 世代
RAM : PC2-3200 Registered ECC 4x1GB
HDD : 3.5inch SCSI 73GB 15krpm x3
OS : Windows Server 2003R2
当時は人気だったDELLの1Uラックマウントサーバです。デュアルコア x2 = 4コア。まだ性能は必要充分とも言えますが、消費電力的にはどうでしょうか。
CPU : Intel Xeon DC 2.8GHz x2 (4Core) / Netburst 世代
RAM : PC2-3200 Registered ECC 4x1GB
HDD : 3.5inch SCSI 146GB 15krpm x2
OS : Windows Server 2003R2
最新ではありませんが、Intel Core 世代の人気サーバです。CPU に Intel Xeon X5460を搭載した高性能機種です。
また、一般的に「消費電力が多い」とされるFB-DIMMを搭載しています。
現行機種とはいえ、ハイパワーなCPUと消費電力の高いメモリを搭載した際、どうなるか気になるところです。
CPU : Intel Xeon X5460 (4Core) / Core 世代
RAM : PC2-5300 FB-DIMM 2x2GB
HDD : 3.5inch SAS 146GB 15krpm x4 (RAID0)
OS : Windows Server 2008R2
こちらも Intel Core 世代の人気サーバです。CPUはXeon E5430と、発売当時はなかなかのスペックでした。まだ現役として充分運用可能なスペックです。
一つ前の機種である、DELL PowerEdge 1850と比較すると、どのくらい消費電力に違いがあるのか、気になるところです。
CPU : Intel Xeon E5430 (4Core) / Core 世代
RAM : PC2-5300 FB-DIMM 2x2GB
HDD : 3.5inch SAS 300GB 15krpm x2
OS : Windows Server 2008R2
富士通製ミドルレンジサーバです。すでに RX300 S6 が発売されているため最新機種ではないのですが、 Nehalem 世代のCPUを搭載しています。
TDP 95WのXeon X55xxシリーズにおける最上位CPUです。
CPU : Intel Xeon X5570 (4Core) / Nehalem 世代
RAM : PC3-10600 Registered ECC 1x4GB (4GB)
HDD : 2.5inch SAS 146GB 15krpm
OS : Windows Server 2008R2
当店にて一番人気のエントリーラックサーバです。静音サーバで実績のある富士通製の最新ラックサーバです。
クアッドコアCPUを搭載した必要十分なパフォーマンス・静音・低消費電力・お手頃価格が特徴です。
CPU : Intel Xeon X3430 (4Core) / Nehalem 世代
RAM : PC3-10600 ECC 4x1GB
HDD : 3.5inch SATA 500GB 7.2krpm x2
OS : Windows Server 2008R2
当店にて一番人気の静音エントリータワーサーバ「TX100」シリーズの最新機種です。
こちらもクアッドコアを搭載し高性能化。もちろん静音・低消費電力。
サーバの入門用・研修/学習用・自宅用にピッタリです。
CPU : Intel Xeon X3430 (4Core) / Nehalem 世代
RAM : PC3-10600 ECC 4x2GB (8GB)
HDD : 3.5inch SATA 160GB 7.2krpm x2
OS : なし
小型・静音のタワーサーバです。オフィスに最適なサイズと静音・省エネを並立した、ぜいたくな造りのサーバです。
にもかかわらずSAS HDDを搭載し、小さいながらもハイパワーを実現。アクセスが集中しても性能の低下が少なめです。
CPU : Intel Core 2 Duo P8700 (2Core) / Core 世代
RAM : PC2-5300 Registered ECC 4x1GB
HDD : 2.5inch SAS 146GB 10krpm
OS : Windows Server 2008R2
IBM製最新のミドルレンジラックサーバ。仮想環境の構築に人気のサーバです。
仮想化で運用することを想定し、メモリ大容量モデルを構築しました。
CPU : Intel Xeon E5503 (2Core) / Nehalem 世代
RAM : PC3-10600 Registered ECC 9x8GB (72GB)
HDD : 2.5inch SATA 500GB 7.2krpm x2
OS : なし
最新 6コアCPUを2基搭載した、ハイエンドサーバです。
いくら最新世代といえども、ただでさえ発熱の大きい 6コアCPUを2基搭載したらどうなるのか、注目です。
CPU : Intel Xeon X5670 x 2CPU (2 x 6Core = 12Core) / Nehalem 世代
RAM : PC3-10600 Registered ECC 2x4GB
HDD : 2.5inch SAS 146GB 15krpm x3
OS : Windows Server 2008R2
最新世代の 4コアCPUを2基搭載した、高性能サーバです。
低消費電力版のCPUを搭載した機種をセレクトしてみました。通常電力版との差が気になるところです。
CPU : Intel Xeon L5630 x 2CPU (2 x 4Core = 8Core) / Nehalem 世代
RAM : PC3-10600 Registered ECC 2x4GB
HDD : 2.5inch SAS 146GB 15krpm x3
OS : Windows Server 2008R2
TDP 120Wの AMD Opteron 8222 SE を 4CPU搭載した、IBM製ハイエンドサーバです。発売当時は、定価315万円で販売されていました。
4Uラックマウントということで、本体重量 30~40kgと非常に重いです。一人では持ち運べません。
CPU : AMD Opteron 8222 SE (4 x 2Core = 8Core)
RAM : PC2-5300 Registered ECC 32x2GB (64GB)
HDD : 3.5inch SAS 146GB 15krpm x4
OS : Windows Server 2008R2
・CPU負荷テストには「PRIME95」を使用
・メモリ負荷テストには「メモリーストレス検査ツール Ver1.00」を使用
・HDD負荷テストには「CrystalDiskMark 3_0_0d」を使用
・電力測定には、ワットチェッカーを使用
・OSインストールが必要な(3)と(4)は主要機種のみ実施。
CPU : Intel Xeon DC 2.8GHz x2 (4Core) / Netburst 世代
RAM : PC2-3200 Registered ECC 4x1GB
HDD : 3.5inch SCSI 146GB 15krpm x2
OS : Windows Server 2003R2
PassMark CPU Spec : 1,856 (性能の参考用)
■ 測定結果
(1)電源OFF時 : 21W
(2)アイドル時 : 224W
(3)CPU/メモリ負荷時 : 405W
(4)CPU/メモリ/HDD 負荷時 : 443W
■ やはり消費電力は高いです。数ヶ月運用すると、電気代で新しいサーバが買えるのではないでしょうか。
仮にも4コアなので性能はそこそこなのですが、消費電力に見合っているとは言えません。
節電が重要な雰囲気の中、このサーバを運用するのはツライところです。
CPU : Intel Xeon 3.8GHz x2 (2Core) / Netburst 世代
RAM : PC2-3200 Registered ECC 4x1GB
HDD : 3.5inch SCSI 73GB 15krpm x3 (RAID5)
OS : Windows Server 2003R2
PassMark CPU Spec : 1,389 (性能の参考用)
■ 測定結果
(1)電源OFF時 : 17W
(2)アイドル時 : 230W
(3)CPU/メモリ負荷時 : 420W
(4)CPU/メモリ/HDD 負荷時 : 454W
■ こちらも消費電力が非常に高いです。Netburst世代のサーバは、ほぼすべて同じ傾向にあります。
サーバの消費電力がムダだとやり玉に上がることもありますが、この消費電力を見ると、旧世代のサーバに限っては反論が難しいところです。
CPU : Intel Xeon X5460 (4Core) / Core 世代
RAM : PC2-5300 FB-DIMM 2x2GB
HDD : 3.5inch SAS 146GB 15krpm x4 (RAID0)
OS : Windows Server 2008R2
PassMark CPU Spec : 5,020 (性能の参考用)
※CPU・メモリ・HDDを増強カスタム済み。
■ 測定結果
(1)電源OFF時 : 17W
(2)アイドル時 : 198W
(3)CPU/メモリ負荷時 : 275W
(4)CPU/メモリ/HDD 負荷時 : 286W
■ Intel Core 世代における 2ソケット向けハイエンドクラスのCPU(DL380 G4の3.6倍の性能)と、大容量メモリを搭載しているのですが、アイドル時は旧世代サーバとほぼ同等。負荷時においては4割程度、少なめの結果になりました。
現行2ソケットサーバのハイエンドクラスにもかかわらず、旧世代サーバと比較すると消費電力が減っています。旧世代サーバは省エネを一切考慮していないことを実感させられる結果になりました。
3.5インチ SAS HDDは電力消費量が大きいはずなのですが、4台搭載していても+11ワット(1台あたり +2~3ワット)。これもあくまで一瞬の数値でしかなく、すぐにHDD負荷無しの状態と同等に戻ってしまいました。2.5インチ SASとほぼ同等の数値です。
SAS HDDの消費電力は、実際のところあまり大きくないのかもしれません。消費電力の大きかったSCSI HDDと比較すると、技術の進歩を実感する数値となりました。
こちらのサーバは消費電力が大きいと言われているFB-DIMM を搭載しているのですが、せっかくなのでメモリ容量を変更して消費電力を計測してみました。
■メモリ 16GB (8x2GB)の場合 (※メモリ合計8枚)
(2)アイドル時 : 245W
■メモリ 10GB (2x2GB + 6x1GB)の場合 (※メモリ合計8枚)
(2)アイドル時 : 245W
■メモリ 28GB (6x4GB + 2x2GB)の場合 (※メモリ合計8枚)
(2)アイドル時 : 265W
メモリの枚数は8枚で統一。容量のみ変更しています。
負荷時の消費電力も計測したのですが、アイドル時とまったく変わりませんでした。「メモリは負荷がかかると消費電力が増える」という印象があったので、意外な結果です。
また、1GBと2GBのメモリでも、消費電力は変わりません。4GBになると少し増えます。
上記の結果から計算すると、1GBと2GBが1枚あたり8ワット程度。4GBが1枚あたり12ワット程度でしょうか。
1GBを8枚積むよりは2GBを4枚にするなど、メモリの枚数を減らすことで、節電効果を発揮できるようです。
節電には、大容量のメモリモジュールを利用するのがコツです。
CPU : Intel Xeon E5430 (4Core) / Core 世代
RAM : PC2-5300 FB-DIMM 2x2GB
HDD : 3.5inch SAS 300GB 15krpm x2
OS : Windows Server 2008R2
PassMark CPU Spec : 3,976 (性能の参考用)
■ 測定結果
(1)電源OFF時 : 12W
(2)アイドル時 : 166W
(3)CPU/メモリ負荷時 : 223W
(4)CPU/メモリ/HDD 負荷時 : 227W
一世代前のサーバであるPowerEdge1850と比較すると、約半分の消費電力でした。処理性能が倍以上にパワーアップし、なおかつ省エネという結果です。
2台のPowerEdge 1850を1台のPowerEdge 1950に統合した場合、ほぼ同等の処理性能を維持でき、なおかつ消費電力は大幅に下がる計算になります。
たとえば、2台のPowerEdge 1850を運用すると負荷時消費電力が800ワットを超えますが、PowerEdge 1950なら負荷時消費電力が223Wで済みます。約1/4です。サーバの統合こそが、消費電力削減の決め手です。
CPUや筐体サイズの違いか、PowerEdge 2950よりは消費電力は小さめの結果になりました。ファンの消費電力等の関係もありますので、もし同じCPUを使ったとしても、PowerEdge 1950のほうが若干小さい結果になっていたはずです。
CPU : Intel Xeon X5570 (4Core) / Nehalem 世代
RAM : PC3-10600 Registered ECC 1x4GB
HDD : 2.5inch SAS 146GB 15krpm x3
OS : Windows Server 2008R2
PassMark CPU Spec : 5,555 (性能の参考用)
■ 測定結果
(1)電源OFF時 : 15W
(2)アイドル時 : 126W
(3)CPU/メモリ負荷時 : 180W
(4)CPU/メモリ/HDD 負荷時 : 191W(※ファンが全力で回転)
■ 同世代間の比較では、RX200 S6 (CPU/メモリ負荷時 260W)、RX100 S6 (CPU/メモリ負荷時 133W)の中間という結果でした。スペックも、RX200 S6 (Passmark 16,432)、RX100 S6 (Passmark 3,893)の中間なので、妥当なところでしょうか。
旧世代サーバ(ProLiant DL380 G4)と比較すると、消費電力は半分以下で、性能は4倍。圧倒的です。
”(4) CPU/メモリ/HDD 負荷時”の結果ですが、HDDが回っただけではそれほど消費電力の増加はありませんでした。ただ、ファンが回ると消費電力が増えます。HDDそのものの消費電力よりは、ファンの消費電力のほうが、影響が大きいようです。
CPU : Intel Xeon X3430 (4Core) / Nehalem 世代
RAM : PC3-10600 ECC 4x1GB
HDD : 3.5inch SATA 500GB 7.2krpm x2
OS : Windows Server 2008R2
PassMark CPU Spec : 3,893 (性能の参考用)
※メモリ増強カスタム済み。
■ 測定結果
(1)電源OFF時 : 12W
(2)アイドル時 : 45W
(3)CPU/メモリ負荷時 : 133W
(4)CPU/メモリ/HDD 負荷時 : 144W
■ 負荷時の消費電力は1/3、アイドル時なら1/5~1/6です。それでいて、性能は2倍~3倍に上がっています。
消費電力が低いということは発熱も少ないということで、ファンをゆっくり回すことができます。つまり、動作音も静かです。
旧世代サーバをRX100 S6にリプレースするだけで、データセンターの消費電力を大幅に削減できます。節電目標も、楽にクリアできます。
CPU : Intel Core 2 Duo P8700 (2Core) / Core 世代
RAM : PC2-5300 Registered ECC 4x1GB
HDD : 2.5inch SAS 146GB 10krpm
OS : Windows Server 2008R2
PassMark CPU Spec : 1,794 (性能の参考用)
※メモリ増強カスタム済み。
■ 測定結果
(1)電源OFF時 : 5W
(2)アイドル時 : 62W(※HDD 2台使用時: 64W)
(3)CPU/メモリ負荷時 : 93W
(4)CPU/メモリ/HDD 負荷時 : 98W(※HDD 2台使用時: 102W)
■ モバイル技術をサーバに生かした小型サーバです。CPU性能は高くありません(それでも、Xeon 3.8GHz x2以上、Xeon 2.8GHz 2Cx2CPUに近い性能です)。
負荷時の消費電力は1/4、アイドル時の消費電力はRX100 S6より高いのですが、それでも1/4です。
小型・静音ということで、オフィス向けに人気のタワー型サーバです。
オフィスで家庭用の安価な電源タップをそのまま利用することも多いかと思いますが、そこに複数のサーバを接続しても、気にならない消費電力です。
CPU性能は普通なのですが、SAS HDDを搭載しているので、アクセスが集中しても性能が低下しにくい所が特徴です。SAS HDDは消費電力が高いはずなのですが、HDDに負荷をかけても低めの数値に収まっています。
CPU : Intel Xeon X3430 (4Core) / Nehalem 世代
RAM : PC3-10600 ECC 4x2GB (8GB)
HDD : 3.5inch SATA 160GB 7.2krpm x2
OS : なし
PassMark CPU Spec : 3,893 (性能の参考用)
※メモリ増強カスタム済み。
■ 測定結果
(1)電源OFF時 : 0w(※ワットチェッカーが反応せず)
(2)アイドル時 : 58W
※OS無しのため、(3)と(4)は未測定。
■ 人気の静音サーバ「PRIMERGY TX100 S1」の後継機です。待機時消費電力は 0Wという表示でした。
実際はごく微量(0W以上1W未満)の電気を消費しているはずですが、ワットチェッカーでは測定できないほど少ないようです。
メモリ8GBでもアイドル時58Wと、旧世代サーバの1/4程度です。
CPU : Intel Xeon E5503 (2Core) / Nehalem 世代
RAM : PC3-10600 Registered ECC 9x8GB (72GB)
HDD : 2.5inch SATA 500GB 7.2krpm x2
OS : なし
PassMark CPU Spec : 1,685 (性能の参考用)
※メモリ・HDD増強カスタム済み。
■ 測定結果
(1)電源OFF時 : 16W
(2)アイドル時 : 110W
※OS無しのため、(3)と(4)は未測定。
■ 仮想化の運用に人気な、IBM製最新ラックサーバです。
仮想化の運用を想定してメモリを72GBほど搭載してみましたが、それでもアイドル時消費電力が110Wと、旧世代サーバの半分程度で済んでいます。
メモリ容量に対してCPUがやや弱めのスペックですが、Xeon E5504等のモデルなら同等のTDPでクアッドコアになりますし、Xeon L5506等のモデルなら、さらに消費電力を下げつつ性能を上げることができます。
CPU : Intel Xeon X5670 x 2CPU (2 x 6Core = 12Core) / Nehalem 世代
RAM : PC3-10600 Registered ECC 2x4GB
HDD : 2.5inch SAS 146GB 15krpm x3
OS : Windows Server 2008R2
PassMark CPU Spec : 16,432 (性能の参考用)
■ 測定結果
(1)電源OFF時 : 17W
(2)アイドル時 : 133W
(3)CPU/メモリ負荷時 : 260W
(4)CPU/メモリ/HDD 負荷時 : 264W
(※長時間放置すると、ファンの回転数が上がり、一時的に 278W まで上昇)
■ 富士通の最新2ソケットラックマウントサーバです。処理速度は旧世代サーバ(DL380 G4)の11.8倍。にも関わらず、負荷時消費電力は約4割カット。ワットあたりのパフォーマンスは、約16.5倍。まさに圧倒的です。
ハードディスクに負荷をかけても +4W 程度しか変わらなかったのですが、長時間負荷をかけ続けるとファンの回転数が上がり、一時的に 278W まで上昇しました。
普段は旧世代サーバほど高速でファンが回らないのですが、長時間過負荷状態で運用すると、ファンの回転数が上がります。一時的に負荷が上昇する分には、変わりません。
CPU : Intel Xeon L5630 x 2CPU (2 x 4Core = 8Core) / Nehalem 世代
RAM : PC3-10600 Registered ECC 2x4GB
HDD : 2.5inch SAS 146GB 15krpm x3
OS : Windows Server 2008R2
PassMark CPU Spec : 7,774 (性能の参考用)
※CPU・HDDカスタム済み。
■ 測定結果
(1)電源OFF時 : 14W
(2)アイドル時 : 122W
(3)CPU/メモリ負荷時 : 193W
(4)CPU/メモリ/HDD 負荷時 : 201W
■ さすが低消費電力版CPUです。4コアの2CPU構成にもかかわらず、4コアの1CPU構成(RX300 S5, CPU&メモリ負荷時 191W)とあまり変わらない結果でした。Xeon X5670 x2CPUと比較すると、3割ほど省エネです。
旧世代サーバ(DL380 G4)と比較すると、性能約5.6倍で、負荷時電力55%カット。ワットあたりのパフォーマンスに直すと、約10.2倍。低消費電力版CPUの面目躍如といったところでしょうか。
低消費電力版CPUを使うとハードウェアの価格性能比は落ちるのですが、長期間の運用を行えば、電気代と設備代で充分ペイできます。
CPU : AMD Opteron 8222 SE (4 x 2Core = 8Core)
RAM : PC2-5300 Registered ECC 32x2GB (64GB)
HDD : 3.5inch SAS 146GB 15krpm x4
OS : Windows Server 2008R2
PassMark CPU Spec : 6,418 (性能の参考用)
■ 測定結果
(1)電源OFF時 : 117W
(2)アイドル時 : 660W
(3)CPU/メモリ負荷時 : 868W
(4)CPU/メモリ/HDD 負荷時 : 915W
■ 4ソケットクラスのハイエンドサーバだけあって、ダントツに高い消費電力です。特に「Opteronだから」というわけではなく、このクラスのサーバは、おしなべてこのような傾向にあります。搭載されている電源は 1500ワットです。
アイドル時と比較したCPU/メモリ負荷時の消費電力増分は、+208ワットです。Netburst世代のDL380 G4が+234ワットなので、Netburst世代の2CPU構成よりも、よりやや少なめです。HDDに負荷をかけファンが回り出すと、DL380 G4より少し多くなります。
メモリは負荷をかけても消費電力が変わらない傾向があるため、アイドル時消費電力が高い原因の多くはメモリにあると推察されます。
ファンもたくさん搭載されているので、そのぶんの消費電力も大きめです。もちろん動作音はものすごく大きく、x3755の動作中は、周囲の会話が聞き取れません。
結果をまとめてみました。
待機電力 | アイドル時 | 負荷時 CPU&メモリ |
負荷時 CPU&メモリ&HDD |
処理性能 (PassMark) |
|
---|---|---|---|---|---|
HP DL380 G4 (Xeon 3.8G x 2CPU) |
21W | 230W | 420W | 454W | 1,389 |
IBM x3550 M3 (Xeon E5503) |
5W | 110W | 1,685 | ||
富士通 TX120 S2 (Core 2 Duo P8700) |
5W | 62W | 93W | 98W | 1,794 |
PowerEdge 1850 (Xeon DC 2.8G x 2CPU) |
21W | 224W | 405W | 443W | 1,856 |
富士通 RX100 S6 (Xeon X3430) |
12W | 45W | 133W | 144W | 3,893 |
富士通 TX100 S2 (Xeon X3430) |
0W | 58W | 3,893 | ||
PowerEdge 1950 (Xeon E5430) |
12W | 166W | 223W | 227W | 3,976 |
PowerEdge 2950 (Xeon X5460) |
17W | 198W | 275W | 286W | 5,020 |
富士通 RX300 S5 (Xeon X5570) |
15W | 126W | 180W | 191W | 5,555 |
IBM System x3755 (Opteron 8222SE x 4CPU) |
117W | 660W | 868W | 915W | 6,418 |
富士通 RX300 S6 (Xeon L5630 x 2CPU) |
14W | 122W | 193W | 201W | 7,774 |
富士通 RX200 S6 (Xeon X5670 x 2CPU) |
17W | 133W | 260W | 264W | 16,432 |
【表(1) : 待機時消費電力/アイドル時消費電力の比較】
(※グラフは処理能力の昇順。高性能サーバが下側です。System x3755は掲載していません。)
【表(2) : 待機時/アイドル時/負荷時の比較】
(※グラフは処理能力の昇順。高性能サーバが下側です。System x3755は掲載していません。)
■ グラフにしてみると、その差が圧倒的です。消費電力的には、
Netburst 世代 > Core 世代 > Nehalem 世代
という結果になりました。サーバの世代が進むと電力効率が改善し、「高性能で低消費電力」なサーバが実現可能になっていることがわかります。
中でも Netburst 世代 と Core 世代 の差は顕著です。その反面、 Core 世代 と Nehalem 世代 の差は、比較的小さくなっています。
Core 世代のサーバは価格もこなれてますが、Nehalem 世代のサーバはまだ高く、中古で出回る数も少なめです。とはいえ Core 世代のサーバも、旧世代サーバ(DL380 G4)の半分程度の消費電力ですし、予算が限られる場合はオススメです。
■ TX120 S2 は Intel Core 世代なのですが、モバイル技術をサーバに利用することで、Nehalem 世代と同等もしくは上回る電力効率を実現しています。
■ コンパクトタワーより通常サイズのタワー、1Uラックマウントより2Uラックマウント……というように、本体サイズが大きくなると、消費電力が大きくなる傾向があります。
これは、ファンの消費電力が影響しています。サイズの大きなサーバにはたくさんのファンが搭載されているので、消費電力が増えています。ただし、そのぶん冷却能力は高く、長時間の負荷にも耐えられます。
■ System x3755の消費電力に、それが顕著に表れています。それに加えて、ハイエンドサーバは大量のメモリを搭載できるため、消費電力も大きくなりがちです。
■ PowerEdge 2950のアイドル時消費電力は高いのですが、Intel Xeon X5460搭載で性能は高く、消費電力に見合った性能と言えます。またアイドル時消費電力に対し、負荷時消費電力がやや低めです。
ワットパフォーマンスは Nehalem 世代ほどではありませんが、そのぶん価格がこなれているので、価格性能比のバランスが良いサーバです。
■ RX200 S6 (Nehalem世代) は、 PowerEdge 1950 (Core世代) より消費電力が高いのですが、そのぶん処理性能が大きく向上しています。ですが最新機種は価格も高いので、悩ましいところです。
■ 低消費電力版 Xeon L5630 を搭載したサーバは、2CPU構成にも関わらず、Xeon X5570 x 1CPU構成の消費電力に近い数値にとどまりました。
消費電力を抑えつつパフォーマンスが欲しい場合は、低消費電力版 Xeon が、良い選択肢になります。
■ オフィスにおけるサーバの典型的な利用例「夜間は少なめ、昼間は多め」(※外部に公開するWebサーバは違ってきます)として
旧型サーバ | 省エネサーバ | |
00:00~09:00 (オフピークタイム) | 200ワット程度の消費 | 45ワット程度の消費 |
09:00~21:00(ピークタイム) | 300ワット程度の消費 | 100ワット程度の消費 |
21:00~24:00 (オフピークタイム) | 200ワット程度の消費 | 45ワット程度の消費 |
を想定すると、一ヶ月の電気料金は、
旧型サーバ : 3960円
省エネサーバ : 1148円
という結果になりました。
(※東京電力における従量電灯コースの平均消費電力単価をもとに計算)
旧型サーバは常時過負荷状態に陥っているケースも多く、その場合はさらに消費電力が上がります。
お手持ちの旧型サーバをワットチェッカーで測定してみると、その消費電力の多さに驚くはずです。
消費電力が多いということは、サーバからの発熱も多いということになります。
発熱が多いということは、エアコンをガンガンかけて冷却しなければなりません。その消費電力も、またバカになりません。
節電サーバならば、空調も最低限で済みます(台数が少なければ、扇風機による冷却程度でも充分です)。
サーバの安定稼働には欠かせない、UPS(無停電電源装置)やPDU(電源管理ユニット)のコストも抑えられます。
このように旧型サーバをリプレースすることで、簡単に消費電力を大きく下げることができます。
複数のサーバを運用している環境なら、毎月数万円単位での電気代節約も可能です。それでいて性能も上がるのですから、まさに良いことづくめです。
データセンターへの搬入・設置等の手間はかかりますが、当社法人営業部までご相談いただければ、そちらも対応させていただきます。
サーバの選び方がわからない方には、現在の利用シーンをお伺いし、それに見合った最適なサーバを提案させていただきます。もちろん、今回の検証に利用したサーバと同じものを、当店でお求めいただけます。
サーバの選定・購入・搬入・設置・保守までオールインワンで提供可能な当店までご相談ください。