ファイルサーバー・ストレージのあれこれ、初級編(第三回)

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前回はRAIDコントローラーの種類と用途についてまとめました。
今回はよく使われるRAIDレベルについて扱っていきます。
よくRAID 1(ミラーリング)やRAID 5と呼ばれるRAIDの組み方についてです。
■RAID 0(Striping、ストライピング/対故障性のないディスクアレイ)
複数台のHDDにデータを分散して高速化する方式
冗長性も耐障害性もにため、資料によってはRAIDに含まないとされます

ストレージ速度がとにかく必要で、データ損失を厭わない環境で使用されることが多い
(例:CGスタジオなどのレンダリングサーバー、学術計算の一時記憶領域など)

一般的に台数が増えるほどシーケンシャル速度が上がり、故障率も上がります。
■RAID 1(Mirroring、ミラーリング/二重化構成)
2台のHDDに同じデータを書き込むことによって、耐障害性を上げるのが目的。
片方のHDDが壊れた時にも、もう片方のHDDにはデータが完全な形で残っているので復旧までの間も性能の低下は少ない。

またシステムボードに標準で搭載されているHostRAIDなどでも構成することができるので、低コストでも最低限できるRAID構成といった側面もある

ただし2台で容量が半分になるので、容量効率はよくない。
■RAID 0+1(01) または RAID 1+0(10)
ストライピングとミラーリングを組み合わせた物
お互いの欠点を補い合うため非常に相性はよい

内部的にストライピングしたArrayをミラーするものを0+1、ミラーしたArrayをストライピングした物を1+0と呼ぶ
サーバー用途では耐障害性では優れるRAID 1+0が主に使われる。
■RAID 5(ブロック単位でのパリティ分散記録)
RAID 5は水平パリティを使用して複数のHDDに誤り訂正データと合わせて分散記憶する。
最低3ドライブから構成可能で、台数が増えるほど高速化できる。
RAID 0に比べると投資に対して有効容量が大きい。

ランダムリードに対して高速化が期待できるが、書き込みはパリティブロックの訂正を伴うため(構成台数が少ない場合は特に)速度が遅くなる。
性能のよいRAIDコントローラーでは大容量キャッシュメモリを搭載して速度遅延を吸収している。

HDD1台の故障まではパリティ領域からデータの修復が可能、2台故障すると復旧できなくなる。

*RAID 1+0(0+1)と同様にRAID 5+0(0+5)も存在する。
■RAID 6(ブロック単位・複数パリティ分散記録)
RAID 5を拡張し、HDD2台までの故障に対応できる構成。
最低4台から構成可能(コントローラーによっては3台から)

第四回以降では実機でRAIDを組む手順の実例を紹介いたします。


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