ハイエンドWSとして高評価を得ておりますHP WS Z800ですが、CPUやVGAのスペックに対してストレージ周りが弱いです。そこでSSDを搭載してどのくらいパフォーマンスが上がるか検証してみました。使用しました機種はx5690 2CPU搭載モデルです。
Z800は構造的に2.5インチのストレージは搭載できません。そこでMB982SP-1Sを使い、2.5インチを3.5インチ変換することで搭載可能になりました。Z800のHDDマウンタはちょっとクセがありますので壊さない様に気をつけてください。
あとはZ800に搭載してWindows7上で認識されます。この状態でHDDのベンチマークをクリスタルベンチで測定してみました。
まずはOSの入っているSASの値です。
まあまあの値が出ました。次にSATAとしてSeagate ST1000DM003を搭載して値を測定してみました。
SASとほとんど変わりません。7,200rpmですがこれなら十分使える値です。
最後にSSD OCZ Agility4 120GBを搭載して測定してみました。
考えていた様な速度がでませんでした。ランダムアクセスは高速ですがWSは基本的に複数人で使いませんのでシーケンシャルが大事です。SAS、SATAに大きく負けてしまいました。
別のサーバで測定したときは複数搭載してRAID0を組んでいましたので同じようにRAID0を組み、測定してみました。2本でRAID0の結果、
3本でRAID0
RAID0でも思った様な速度が出ません。どうやらZ800に搭載されているSASコントローラーがボトルネックのようです。SAS 1068EのためRAIDコントローラではありません。3Gbでキャッシュ非搭載のためWriteBackが使えません。このあたりからストレージのパフォーマンスを発揮できないようです。
SSDをRAID0で使うにはリスクが高すぎます。そこでSASを3本でRAID0を行った場合はどの程度かも測定してみました。
シーケンシャルはSSDより高速でした。SASはSSDより故障率が低いのでリスクのあるRAID0はSASで行った方が現実的かもしれません。ただし、バックアップは必須です。
結論的にはZ800ではこれが限界のようです。本体の構造上、内蔵RAIDカードを搭載することが難しいです。ストレージを高速化するには外付けのエンクロージャーで行うしか方法が無さそうです。お勧めとしてはMaxserve社の2U 12ベイエンクロージャー NS320S-8026にLSI MEGARAID 9285-8eを組み合わせたストレージを構成するのがベストです。容量重視ならSATAで、速度重視ならSASで構成できます。当店でご相談を承っておりますのでハード構成でお困りでしたらお気軽にお問い合わせください。