「RAID-Z」で高速ストレージを構築しよう(2) – VMWare ESXiでFreeNAS iSCSIボリュームを利用する
今回は、実際にFreeNASでiSCSIボリュームを作成し、VMWare ESXiから接続して、OSインストール用のディスクとして利用する方法を解説します。
過去記事ですでに解説されている部分は省略しています。 新世代のRAID「RAID-Z」で高速ストレージを構築しよう(1) と、 PRIMERGY TX100とFreeNASで、超かんたん格安静音ファイルサーバを構築しよう を、あわせてご覧ください。
前提条件
・本体にHDDが3台以上搭載されている。
・FreeNAS 0.7.1 stable (AMD64)がインストールされている。
注意点
・FreeNAS(FreeBSD)のZFSは、多くの本番環境で運用された実績がありますが、記事執筆時点では、基本的に「実験的」リリースです。自己責任でご利用ください。
(FreeBSD 8.0ベースのFreeNASでは、ZFSがv13となり、プロダクションレベルに達しています)
構築手順
1)ZFS storage pool deviceでディスクをマウント
メニューの[ディスク]→[マネージメント]から、ディスクを追加。
マウント時にファイルシステム事前フォーマットを「ZFS storage pool device」にしておく。
2)仮想デバイスを作成
ここからは、メニューの ディスク→ZFS を開いて作業します。
[プール]タブの[仮想デバイス]を選択
名前:仮想デバイスの識別名称を入力
タイプ:(RAID-Zは「シングルパリティRAID-5」。RAID-Z2は「ダブルパリティRAID-5」を選択)
デバイス:RAID構築するディスクを選択します(3台以上)
3)仮想デバイスをプールする
[プール]タブの[マネジメント]を選択
名前:プール名
仮想デバイス:先ほど作成した仮想デバイス
こうなればOkです。
サイズがRAID構築に利用したディスクを単純に合計したぶん(つまり、パリティの容量を考慮しない)表示されています。
4)ファイルシステムの作成
[データセット]タブの[データセット]を選択
名前:データセット名(マウント名称になります)
プール:先ほど作成したプール名称
圧縮:通常はOFFで利用します。
ディスク領域が少ない場合は”gzip-9″等と指定するとディスク圧縮機能が働きますが、パフォーマンスが低下します。圧縮率は9段階で指定可能。
こうなればOkです。
iSCSIの設定
iSCSIの初期設定
メニューの、[サービス] > [iSCSIターゲット] を選択。
デフォルトのままで、右上「有効」のチェックを入れ「保存して再起動」をクリックします。
iSCSIターゲットの設定
[ターゲット]タブの[エクステント] 右下の + をクリック。
エクステント名:iSCSIエクステントの識別名称
タイプ:ここでは「ファイル」を指定します
パス:ディスクイメージのパスを指定します
ファイルサイズ:このiSCSIエクステントに割り当てるディスク領域を指定します
※ここの容量を2TB以上に設定すると、Windows 2000/XP/2003(nonSP)等でマウントできません。これらのOSで利用する場合は、2TB未満の容量を指定してください。
[ターゲット]タブの[ターゲット] 右下の + をクリック。
エクステントの設定
基本的にデフォルト設定のままで「保存」をクリック。
これでiSCSIの構築は完了です。
Windowsマシン等からマウントして利用することができるようになりました。Microsoft iSCSI Software Initiatorを利用すれば、このiSCSIボリュームをマウントできます。
(パフォーマンスを発揮するには、専用iSCSIカードの導入をおすすめします)
VMWare ESXiにiSCSIディスクをマウントする
ここからは、VMWare vSphere Clientでの作業になります。
VMWare vSphere Clientを起動したら、[構成]タブ の [ハードウェア] → [ストレージアダプタ]をクリック。そして、iSCSIソフトウェア・アダプタを選択して「プロパティ」をクリック
[構成…]をクリック
[有効]にチェックを入れ、OKボタンをクリックしてウィンドウを閉じる。
その後[動的検出]タブの[追加]をクリック
構築済みのFreeNASサーバのIPアドレスを入力
「ホストバスアダプタを再スキャンすることをお勧めします」というダイアログが出るので、「はい」をクリック。
iSCSIターゲットが表示されます。
[ストレージ]の[ストレージの追加]をクリック。
ディスク/LUNを選択。
先ほど構築したiSCSIターゲットを選択
ディスクが検出されるので、そのまま「次へ」をクリック
データストア名を入力
デフォルトのまま「次へ」をクリック
「終了」をクリック
これで、仮想マシンにiSCSIディスクを指定可能になりました。
サーバ本体のHDDには限りがあります。いくら大容量のメモリと高速CPUを搭載していても、ストレージに限界がくれば、新しい仮想マシンを作成することはできません。
そのような場合でも、このようにiSCSIで外部ストレージを接続すれば、ストレージ問題を解決することができます。
iSCSIストレージは難しくありません!RAID5で高いパフォーマンスを発揮しようとすると、どうしてもRAIDカードなどのコストがかかってしまいますが、それもFreeNAS + RAID-Zを使えば解決です。
当店にご相談いただければ、このようなソリューションに最適なサーバをご提案させていただきます。
仮想サーバとストレージは、ottoserverにご相談ください!