VTテクノロジの有無でパフォーマンスはどう変化するのか?
仮想化導入の際、VTテクノロジを搭載していない、古いCPUを搭載したサーバへの導入を検討しているお客様もいらっしゃると思います。そこで気になるのがパフォーマンス。
実際にVTテクノロジの有無で、どの程度パフォーマンスが変化するのか、当店で実験してみました。
ベンチマークにはCrystalMark 2004R3を利用。仮想サーバにはVMWare ESXi 4.0を使用しています。
※条件をそろえるため、仮想マシンに割り当てるCPUはそれぞれ1つ、RAMは1GBずつで統一しています。OSはどちらもWindows Server 2003です。
結果は以下の通りです。
PRIMERGY TX100S1 カスタム Pentium DC E5200(2.5GHz), RAM 2GB |
IBM System x3550M2 Xeon E5540(2.53GHz), RAM 2GB |
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Mark | 54247 | 90134 | 1.66倍 |
ALU | 12240 | 11904 | 0.97倍 |
FPU | 12966 | 12474 | 0.96倍 |
MEM | 11325 | 15291 | 1.35倍 |
HDD | 6128 | 27205 | 4.43倍 |
GDI | 4917 | 9292 | 1.88倍 |
D2D | 4316 | 12168 | 2.81倍 |
OGL | 1355 | 1800 | 1.32倍 |
「CPUやメモリの速度だけを見るとほとんど差がなく、I/Oに大きく差が出る」結果となりました。
ここから「DNSサーバなど、負荷(特にディスクアクセス)の少ない分野においてはVTテクノロジの影響は少ないが、データベースサーバなど、I/O負荷の大きい分野ではVTテクノロジは有無はパフォーマンスに大きく影響する」ことが推察できます。
(GDIやDirectXの速度にも大きく影響することから、ゲーム等の分野にもVTテクノロジは重要と言えます。たとえば64bit Windows7で動作しない、古いゲーム等を動作させるために仮想化技術(VMWare Playerや、Windows XPモード等)を使用する場合にも、VTテクノロジを搭載した機種をお勧めします)
仮想化において、仮想マシンを複数同時に起動した場合、もっともネックになりやすいのは、ディスクアクセス速度です。「VTの有無はI/Oに大きく影響する」「仮想マシンの複数稼働には、I/O速度が重要」ということから、以下のようなことが結論づけられます。
・仮想マシンを多数起動する場合は、「VTテクノロジを搭載した、ディスクの速いサーバ」が必要
・VTテクノロジは、I/O負荷の大きなサーバにも必要
・逆にいえば、仮想マシンが少なく、I/O負荷も小さい場合、VTテクノロジはそれほど重要にはならない
(補足:64bit OS導入の際にもVTテクノロジは必要になります。たとえば、Windows Server 2008 R2を仮想環境にインストールしようとしても、VTテクノロジを搭載していないサーバではインストーラが正常に動作しません)
当店は、仮想化技術を利用したサーバの販売実績も多数ございます。仮想化技術導入の際は、ぜひご相談ください。