【2025最新版】サーバ・ストレージ用SSDのすゝめ
一昔前に比べて、サーバ・ストレージにSSDを使用するのは、かなり主流になってきました。
ですが、本当にHDDから変える必要があるのか?・何を基準に判断すれば良い?・信頼できるメーカーは?
…など悩みは尽きません。
そこで今回は、SSDを選ぶ基準と当店オススメのSSDについてご紹介したいと思います。
その1 耐久性に着目すべし!
サーバ用のSSDで最も重要視する事。それはズバリ耐久性です。
一般的なPCで利用されるSSDは、一日に数時間程度稼働の読み書きが行われる程度ですが、
サーバでは24時間365日常に稼働し続ける必要があります。
その為、それだけの運用に耐えられるSSDでなければいけないのです。

一般的にSSDなどのストレージの信頼性を図る基準としては、
メーカーが公開しているMTTF(MeanTimeToFailure=平均故障時間) があります。
この指標はいわばSSDの平均寿命であり、稼働からどのくらいの時間で故障するかを示します。
・Crucial MX500:180万時間
・WD Blue 3D:175万時間
・SUMSUNG 870 EVO:150万時間
・Kingston Q500:100万時間
おおよそ100万~180万時間程度だとわかります。
一方で、サーバ向けの高耐久SSDだとどうでしょう?
・Micron 5300PROシリーズ:300 万時間
※SATA 6 Gb/s、リード 540MB/s ライト 520MB/s、1DWPD
このように、MTTFには2~3倍もの差があることがわかります。
特に、常時高負荷がかかる業務用途では、この差がトラブル発生率を大きく左右します。

カタログスペックだけでなく、運用実績のあるSSDを選ぶのが◎!
その2 速度に着目すべし!
サーバ用のSSDで次に重視すべきポイント——それは速度です。
「SSDは速い、HDDは遅い」というのは周知の事実ですが、ここでは実際にサーバ環境でよく使われるRAID-1構成でのHDDとSSDの速度差について掘り下げてみましょう。
RAID-1は「ミラーリング」とも呼ばれ、2台のディスクに同じデータを書き込む構成です。
信頼性は高まりますが、書き込み性能は単体のディスクに依存するため、速度面では限界があります。
今回、試しに当店にあった2.5インチ SASと、Enterprise向け SSDの速度をテストでしてみました。
▼1.2TB SAS 10K HDD(Seagte EXOS)

▼960GB SATA SSD(Micron 5400PRO)

※テスト環境:HPE ProLiant DL360Gen9、RAID-1構成(P440ar/2GB cache)で計測
読み書きともに、SSDがHDDの5倍以上の速度を発揮している項目もあります。特に注目すべきは、小さなファイルのランダムアクセス性能です。これはOSの起動やアプリケーションのレスポンスに大きく影響します。
HDDではシーケンシャルリード・ライトでそこそこの数値が出ても、ランダムアクセスが極端に遅いため、実際の体感速度ではSSDに大きく劣ります。
◎実運用での違い
・ファイルサーバやバックアップ用途での大容量読み書き:SSDならバックアップ時間を数分の1に短縮可能。
・Webサーバや仮想環境でのランダムアクセス処理:IOPSの差が応答速度そのものの差になります。
・RAID再構築時の時間:SSDは圧倒的に速いため、RAID-1の再構築時間が短縮され、リスク低減につながります。
結論:RAID構成でもSSDの優位性は圧倒的
RAID-1構成においても、SSDはHDDを遥かに上回る性能を発揮します。
特に、ランダムアクセスが多発するサーバ用途では、SSDによるパフォーマンス向上は顕著です。
その3 おすすめSSDメーカー
耐久性・速度の両面から見て、サーバー用途にはコンシューマー向けSSDではなく、企業向けモデルを選ぶことが重要です。
では、具体的にどのメーカーのSSDがサーバーに適しているのでしょうか?以下に、特に評価の高い代表的なメーカーを紹介します。
Micron(マイクロン)
Micronは米国発の老舗メモリ・ストレージメーカーで、サーバー用SSD市場においても高い信頼を得ています。
- 代表モデル:Micron 5400 PRO / 7450 MAX など
- 特徴:高耐久(1DWPD以上)、長寿命(MTTF 300万時間クラス)、豊富な容量ラインナップ
- おすすめ用途:仮想化ホスト、ファイルサーバー、ログ用途など常時高負荷環境
◎当店お取り扱いあり

国内での流通量も多く、長期保守や交換対応のサポート面でも安心!
弊社でも豊富な導入実績があります◎
Samsung(サムスン)
フラッシュメモリの最大手でもあるSamsungは、企業向けSSDでも製品を多数リリースしています。
- 代表モデル:PM893 / PM9A3 / SM883 など
- 特徴:独自コントローラ、安定したパフォーマンス、NVMe製品も豊富
- おすすめ用途:Webサーバー、データベース、メールサーバーなど

コンシューマー市場でおなじみの安心感があり、導入ハードルも低め。
コンシューマーライン(PRO/EVO)はサーバに向かないので要注意
SK hynix(エスケーハイニックス)
韓国の半導体大手で、近年はエンタープライズSSDの展開にも注力しています。
- 代表モデル:PE8111 / PE8110 など
- 特徴:高IOPS性能、低レイテンシ、コストパフォーマンスに優れる
- おすすめ用途:高速データ処理を伴うリアルタイム分析、VDI環境など

価格と性能のバランスが取れており、コストパフォーマンス重視の導入にも適しています。
その他の注目メーカー
- Intel(現Solidigm):企業向けSSD市場のパイオニア。信頼性に定評あり。
- Kioxia(旧東芝メモリ):国産ブランドの安定感。特にリード性能に強み。
- Western Digital(WD):Ultrastarシリーズなどで高評価を得ている。

サードパーティのSSDをおすすめさせていただくと、サーバ純正(富士通やHPE,DELL)のSSDじゃなくて大丈夫?とのお声をいただきますが、実は全く問題ございません。
実際に弊社の富士通サーバから純正型番のSSDを取り出してみましたが、SamsungのSSDが入っていました。
このように、実は主要サーバベンダーで供給されているSSDの中身は上記メーカー製が殆どという訳です。
まとめると、サーバ・ストレージ用SSDを選ぶ際は、まず耐久性に注目。MTTFやDWPDといった信頼性指標は、長時間稼働に欠かせない重要な判断材料です。
次に着目すべきは速度性能。RAID-1構成でも、HDDとSSDでは大きな差が出るため、業務効率にも直結します。
最後に、SSDメーカーの選定も重要です。Micronは高耐久・高信頼性に優れた企業向けSSDを展開しており、当店でも導入・サポート体制を整えています。