知っておきたいサーバ節電の豆知識:メモリの構成で消費電力はどう変わるのか? 高性能サーバ編

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前回の記事では、エントリーサーバの PRIMERGY TX100 S2 で消費電力を計測してみました。
最新 6コア x 2CPU搭載の高性能サーバでは、どうなるのでしょうか。
今回もメモリの容量・枚数・負荷のかけ方を変えて、実験してみました。

測定内容

測定内容は、以下の通りです。

測定したハードウェア

FUJITSU PRIMERGY RX100 S6
CPU : Intel Xeon X5670 x2CPU ( 6Core / 2.93GHz )
RAM : PC3-10600 Registered ECC
 4GB : hynix HMT151R7BFR4C-H9 (2Rx4)
 8GB : SAMSUNG M393B1K70CH0-CH9 (2Rx4)
HDD : SAS 15000rpm HDD 146GB x 4
OS : Windows Server 2008 R2
その他 : リダンダント電源を2基搭載済み

測定した内容

以下の4項目を測定しました。
(1) 待機電力
(2) アイドル時
(3) CPU/メモリ 負荷時
(4) CPU/メモリ/HDD 負荷時

テスト内容について

・CPU負荷テストには「PRIME95」を使用
・メモリ負荷テストには「メモリーストレス検査ツール Ver1.00」等を使用(複数のソフトを併用)
・HDD負荷テストには「CrystalDiskMark 3_0_0d」を使用
・電力測定には、ワットチェッカーを使用
・いちばん消費電力が高くなった瞬間の数値を記録しています。
・テストはすべて手動で行っているので、ある程度の誤差が発生する可能性があります。

結果

以下のような結果になりました。

メモリ枚数別・消費電力表
メモリ構成 (1) 待機電力 (2) アイドル時 (3) CPU/メモリ 負荷時 (4) CPU/メモリ/HDD 負荷時
4GB x 6枚
(24GB)
28W 150W 378W 395W
4GB x12枚
(48GB)
28W 150W 405W 432W
8GB x 6枚
(48GB)
28W 150W 380W 401W
8GB x12枚
(96GB)
28W 178W 408W 437W
8GB x 2枚
(16GB)
※電源1台(参考用)
17W 125W 270W 276W

 

電力・容量増加率表
負荷時電力 容量増加率 電力増加率
4G x 6枚
(24GB)
378W (基準) (基準)
4G x 12枚
(48GB)
405W 2.00倍 1.07倍
8G x 6枚
(48GB)
380W 2.00倍 1.01倍
8G x 12枚
(96GB)
408W 4.00倍 1.08倍

今回はミドルレンジサーバのためか、ある程度の待機電力が発生しています。リモート管理機能の影響でしょうか。ただ、メモリの枚数を変えても、待機電力は変わらないようです。

やはり「容量より枚数」

過去のテストと同じ傾向でした。Registeredメモリの場合も、大容量メモリモジュール使用による電力の上昇幅はわずかです。メモリ容量が4倍になっても、電力上昇率は 1.08倍 にとどまっています。
8GBメモリを12枚差すとアイドル時の消費電力が1割ほど増えましたが、負荷時は4GBと比較しても、大きな差はありません。

こちらの PRIMERGY RX200 S6 は、出荷時に 2GBのメモリが1枚搭載されているので、それを外して 8GB のメモリに交換すれば、消費電力は変えずに性能を向上させることができます。2枚以上差しても、負荷がかからなければ消費電力はそれほど増えません。

8GBモジュールは節電に効果的

あくまで参考用ですが、メモリを8GBx2枚+電源1基の構成は、消費電力で他を大きく引き離しています。電源を1基取り外すと、だいたい15ワットほど消費電力が減りました。メモリ枚数も減らしていますが、それでも16GB使えます。

8GBモジュール自体の値段は高めですが、長く使えば元が取れるのではないでしょうか。

次回は、Atomサーバの消費電力を測定します。


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