VMWare ESXiを利用した、仮想環境導入ガイド

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仮想環境の導入を検討されている方向けに、当店にて実際に”VMWare ESXi”を導入したケースをもとに、導入方法をご紹介します。

準備

ハードウェア環境

  • FUJITSU PRIMERGY RX100 S5 (CPU : Xeon E3110, RAM : 2GB)
    ※Intel VT/AMD-Vテクノロジを搭載していないサーバでも、VMWare ESXiの動作を確認しています
    (例 : FUJITSU PRIMERGY TX100 S1 OTTOSERVER カスタム / CPU : Pentium DC E5200, RAM : 2GB )

    ソフトウェア

  • VMWare ESXi 4.0
  • Windows Server 2008 R2 評価版 ( http://technet.microsoft.com/ja-jp/evalcenter/dd459137.aspx )

    VMWare ESX/ESXiの特徴とメリット

    ハイパーバイザ型の仮想ソフトウェアですので、別途ホストOSが必要ありません(VMWare Server, VMWare Workstation, Parallels Desktop などの”ホストOS型”は、別途WindowsなどのホストOSが必要です)。
    スナップショット機能を利用することで、不安定なソフトウェアの試験を行う場合でも、導入前の環境に戻すことも容易にできますし、サーバの電源を落とした場合でも、作業を再開することができます。
    (たとえば、ビルの停電前にスナップショットを保存しておけば、復旧後にスナップショットを保存した場所から作業を再開できます)
    その他、複数のOSをインストールできることや、リモートでOSインストールを含むほとんどすべての作業を行うことができる……など、たくさんのメリットがあります。

    導入手順

    1.VMWare ESXiの準備

    VMWare ESXiをダウンロードします。無料ですが、ダウンロードの際にユーザ登録を行う必要があります。
    http://www.vmware.com/jp/products/esxi/
    ※サーバによっては、出荷時にBIOSでVTテクノロジが有効化されていない場合があります(ここで使用している、FUJITSU PRIMERGY RX100S5も、そのケースに該当します)。その場合は、仮想マシンの設定前にVTテクノロジを有効化してください。

    2.VMWare ESXiのインストール

    ダウンロードしたVMWare ESXiのISOイメージをCD-Rなどへ書き込み、サーバのメディアドライブに挿入後、サーバ本体を起動します。

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    VMWare VMVisor Boot Menuが表示されるので、ESXi Installerを選択します(通常は、そのまま放置していれば自動的に選択されます)。

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    VMWareのインストーラが起動します。

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    通常は Enterを押してインストールを開始します。

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    EULAに同意する場合は F11 を押してインストールを続行します。

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    VMWare ESXiをインストールするディスクを選択します。すでにOSがインストールされているディスクを選択した場合、内容が消去されます。OSがインストールされていないOSを選択すれば、既存のWindowsとの並存も可能です。

    これでVMWare ESXiが起動できるようになりました。

    3.VMWare ESXiの設定

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    DHCPが利用できない環境の場合、リモート接続のためネットワークの設定を行う必要があります(DHCPを使用せず、静的IPアドレスで運用したい場合もここで指定します)。
    F2 を押してSystem Customization画面を表示させます。

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    Configure Management Networkを選択します。

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    IP Configulationを選択します。

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    Set static IP address and network configulationを選択し、IPアドレス/サブネットマスク/デフォルトゲートウェイ(ルータアドレス)を入力します。

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    変更を有効化するため、ネットワークをリスタートします。

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    このように、IPアドレスが表示されていれば成功です。

    初期状態では、VMWareにrootパスワードが設定されていません。保護のため、運用前にパスワードを設定することをお勧めします。

    パスワードを設定する場合、同じように F2 を押してSystem Customization画面を表示されてから……

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    Configure Passwordを選択します。

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    パスワードを2回入力します。

    以後の作業は、リモートで行います。

    4.VMWare vSphere Clientのインストール

    リモートで作業を行うため、作業用PCにVMWare vSphere Clientをインストールします。

    まずウェブブラウザで、VMWare ESXiをインストールしたサーバへSSLで接続します。
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    ※認証局ベンダ発行の証明書を使用していないため警告が表示されます。「例外を追加」すれば、一時的に接続できます(恒久的に接続するサーバの場合は、別途SSL証明書の取得をお勧めします)。

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    VMWare ESXi4をインストールしたサーバにアクセスすると、このページが表示されます。”Download vSphere Client”をクリックしてVMware-viclient.exeをダウンロード後、そのファイルを実行するとインストーラが起動し、VMWare vSphere Clientがインストールされます。

    5.仮想マシンの構築

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    VMWare vSphere Clientを起動します。初期状態だとユーザ名は”root”、パスワード無しでログインできます(パスワードを設定した場合は、別途入力を行って下さい)。
    SSL証明書の警告が表示された場合は、先ほどWebブラウザからアクセスした場合と同様に処理して下さい。

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    ファイル→新規→仮想マシンを選択し、ウィザードを起動します。

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    ウィザードに従って仮想マシンを構成します。
    ディ スク領域が限られる場合は「シンプロビジョニング」機能を使用すると、必要最低限のディスク領域のみ消費されます(たとえば40GB設定した場合でも、初期状態では全ての領域を確保せず、アプリケーションのインストール等で実際にディスクを使用した段階になると、はじめてサーバの物理ディスク容量が消費されます)
    ただし、シンプロビジョニングを使用すると若干ディスクパフォーマンスが低下するため(断片化も発生しやすくなります)、用途にあわせて選択してください。
    ウィザードの最後で「完了前に仮想マシンの設定を編集」にチェックを入れます。

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    メモリ、CPUなどをここで設定します(OSインストール後に設定を変更すると、OSの再インストールが必要になる場合があります)。

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    仮想マシンのBIOS設定を変更する場合は、オプションタブの「起動オプション」から「強制的にBIOSセットアップ」にチェックします
    (※BIOS設定を変更しない場合は不要です)

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    以上の作業が終わったら、メニューのインベントリ → 仮想マシン → 電源 → パワーオンを選択して、仮想マシンを起動します。

    6.OSのインストール

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    仮想マシンが起動したら、OSのディスク(またはISOイメージのファイル)をマウントします。

    ローカルディスクのISOイメージを使用してOSをインストールする場合……「ローカルディスクのISOイメージに接続」を選択します。PCのディスクにあるISOイメージからOSをリモートでインストールすることができます。
    PCのメディアドライブに挿入されたCD/DVD-ROMからOSをインストールする場合……「ホストデバイスに接続」を選択すると、サーバ本体のCD/DVDドライブからOSをインストールすることができます。

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    マウントしたディスクから仮想マシンを起動するため、CTRL+ALT+DELを送信します。
    キーボードのCTRL/ALT/DELキーを押すのではなく、メニューのインベントリから、 仮想マシン→ゲスト→Ctrl+Alt+Deleteの送信 を選択します。

    OSのインストーラが起動するので、通常のサーバと同様の操作でOSをインストールします。

    OSインストール後

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    VMWarre vSphere Clientとの連動や、パフォーマンス向上のため、VMWare Toolsをインストールします。
    インストール後はvSphere Clientとマウスの動きが向上し、選択可能な画面解像度が増え、メニューから仮想マシンのサスペンド等の機能が利用可能になります。


    注意点等

    ・64bit CPUを使用している場合でも、Windows Server 2008 R2などの64bit OSをインストールしようとした場合、エラーが表示され、インストーラが起動できない場合があります。
    Intel VTテクノロジをサポートしてない64bit CPUの場合(64bit CeleronやPentium Dual Core E5200など)は、仮想環境で64bit OSをご利用いただけません。
    Intel VTテクノロジをサポートしているCPUの場合、工場出荷時にVTテクノロジがBIOSで Disableになっている場合があります。この場合はBIOS設定を変更することで、64bit OSがご利用いただけます。
    (※もちろん、32bit OSでもご利用いただけます)

    ・Windows NT 4.0を使用する場合、デフォルトでインストールされるNICドライバがVMWareに対応しておらず、そのままではネットワークを利用できません。そのため、ネットワークを利用するためには、以下の手順を踏む必要があります。

    1.通常通りNT4をインストールする
    2.Service Pack 6aをインストールする (※注意:すでにMicrosoftからの配布は終了しています)
    3.VMWare Toolsをインストールする
    4.NIC ドライバ”AMD PCNET PCI Ethernetアダプタ” を、 “VMWare Virtual Ethernet Adapter” へ変更する
    (ドライバは、C:\Program Files\VMware\VMware Tools\Drivers\vmxnet にあります)

    最後に

    この記事でご紹介したサーバ本体ですが、当店にて販売中です!仮想化の導入に、当店にて動作検証済みのサーバ本体はいかがでしょうか?(もちろん、その他仮想化に対応したサーバ本体、多数ご用意ございます)


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