ファイルサーバー・ストレージのあれこれ、初級編(第七回)

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■可用性の指標の判断基準

前回の記事で解説した可用性について、判断基準としてはどれくらい必要なのでしょうか?
長期間、24時間稼働すると考えて年間どれくらいの時間システムダウンが起こるかという観点で考えると判断基準が見えてきます。

■稼働率とは?

稼働率の算出式(仮に完全に無停止なシステムが存在すれば100%となります)
MTBF÷(MTBF+MTTR)

しかし漠然と数字だけ出されても、ピンと来ないのではないでしょうか?
80%で安全?90%は?
数値から導き出されるシステムダウン時間を元に考えてみます。

■稼働率から導き出されるシステムダウンタイム

サーバーシステムは年間を通して稼働するものです。
そこで年間のシステムダウン時間を算出して稼働率について考えてみます。

年間の稼働時間
365日=8760時間

まずは稼働率90%のシステムが年間稼働した場合に想定されるダウンタイムは下記の通りになります。

8760時間 x (1 – 0.9) = 876時間 = 約36日半

なんと年間の内の1ヶ月近くはシステムダウンしている計算になります。
では稼働率99%あればどうなるでしょうか?

8760時間 x (1 – 0.99) = 87.6時間 = 約3日半

なんとそれでも三日間停止してしまいます。
まとまって三日間止まるとは限らないが、この基準の稼働率では企業活動の生産性に大きな悪影響が出ると考えられます。

「稼働率99%は優秀な数字ではない」

ここはしっかりと意識して機種選定する必要があると思われます。

■稼働率から算出されるシステムダウン時間一覧

稼働率   システムダウン時間(年間)
90%     36日半
99%     3日半
99.9%    8.7時間
99.99%   52分
99.999%  5.25分

サーバーシステムの稼働率ももちろん重要ですが、ストレージシステムがシステムダウンすればいくらサーバーが正常に作動していてもデータ参照・更新ができなくなります。
ストレージシステムについては特に高い稼働率が求められると考える必要があるでしょう。
次回はストレージ・アレイの信頼性を高めていくための機能について解説いたします。
それでは


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