バックアップ機器選び方ガイド

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RAIDを組んでいるからといって、安心はできません。
RAIDだけでは、データ損失のリスクはカバーできません。

RAIDはバックアップではありません!

RAIDでは、以下のようなトラブルからデータを保護できません。

操作ミスで、ファイルを削除してしまった。
・誤って、古いデータで上書きしてしまった。

プログラムの不具合で、データが消えてしまった。
OSがクラッシュして、ファイルが見えなくなった。

コンピュータウィルスにやられてデータが消えた。
・システムに侵入され、データが改ざんされた。

このような場合、バックアップがなければデータは失われてしまいます。
しかし、バックアップがあればデータを元に戻せます。

最悪の状態を回避するために、バックアップをお勧めします。

バックアップといえば「めんどくさい」印象をお持ちの方もいらっしゃるかと思いますが、
ソフトウェア等をうまく組合せることにより自動バックアップも可能です。


ローコスト型

Drobo シリーズ等

速度 : ★ ~ ★★★
信頼性 : ★ ~ ★★
容量 : ★ ~ ★★★
価格 : ★★★★★
手軽さ : ★★★★★
ターゲット初心者、SOHO

長所:
シンプル・簡単・手軽
低コスト(数万円~)
初心者でもOK
容量の追加等が容易

短所:
全手動
複雑なことはできない
自動バックアップも不可能(※Mac OS X の Time Machine は利用可能)

備考:
特別な機能はついていないので、基本的にすべて手作業です。ただし、別売りのソフトウェアを利用することで自動バックアップもできます。
(Mac OS X 10.5以上をご利用の場合、Time Machineをご利用いただけます)
非常にコストが低いので、入門用にオススメ。
速度はそこそこですが、Drobo Pro / Drobo Elite なら2TB x 8台で容量が稼げるので、あまり使わないデータの待避用にも最適です。


ミドルレンジ型


IBM DS3000シリーズ、hp MSAシリーズ、MAXSERVE等

速度 : ★★★ ~ ★★★★
信頼性 ★★★ ~ ★★★★
容量 ★★★
価格 ★★
手軽さ ★ ~ ★★
ターゲット中級者 ~ 上級者、中規模以上の案件

長所:
本格的なストレージです。
メーカーの専門技術者でなくても作業できます。

短所:
やや高価(数十万程度)
やや複雑(専門技術者でなくても作業可能だが、初心者には難しい)

備考:
Droboでは物足りないユーザ向け
実績豊富で、信頼性の高いストレージです。
ただし、完全無停止というほどではありません。


ハイエンド


NetApp, EMC等

速度 ★★★★★
信頼性 ★★★★★
容量 ★★★★★
価格
手軽さ
ターゲット : 大規模案件

長所:
完全無停止環境を想定したストレージ
超大容量・超高速
ペタバイトも可能

短所:
超高価(最低でも、数百万以上)
専門の技術者が必要

備考:
完全無停止環境を想定した、超高信頼性ストレージです。そのぶん、価格も高め。
通常はメーカーの技術者が構築作業を行います。


ソフトウェア


BackupExecなど

速度 ハードに依存
信頼性 ハードに依存
容量 ハードに依存
価格 ★★ ~ ★★★
手軽さ ★★★ ~ ★★★★★
ターゲット初心者

長所:
多機能を実現(自動バックアップなどが可能)
簡単で便利(マウス操作でバックアップ可能)
ニーズにあわせて機能等を選択可能
リカバリも自動化可能

短所:
選択肢が豊富な反面、商品選定がやや複雑

備考:
バックアップソフトウェアを、一般的なサーバやストレージと組み合わせて使用します。
たとえば、リカバリまで自動化できます。
ソフトとハードの組合せにより、色々なニーズに対応できます。
組合せがやや複雑で、「何を買えば良いのか」わかりにくいのが難点です。
当店のソリューションサーバならオールインワンなので、初心者にもわかりやすくお勧めです。


クラウド

Dropbox, Amazon S3など

速度
信頼性 ★ ~ ★★★
容量 ★ ~ ★★★★★ (100MBから、1000TBもしくはそれ以上まで)
価格 ★ ~ ★★★★★ (無料から、超高額まで)
手軽さ ★ ~ ★★★★★ (個人用なら手軽だが、本格運用には深い知識が必要)
ターゲット : 最新技術に興味がある方

長所:
ハードウェアが不要
自前でのメンテナンスが不要
個人向けのサービスは安価(無料のサービスもあり)
大容量も対応可能
省スペース

短所:
インターネット回線が必須。インターネット経由なので、低速。
利用料金が高額・請求が青天井になる可能性あり
データを外部に置くリスク(流出の可能性)
オフライン利用は不可能
低価格サービスは小容量・低速

備考:
流行のDropbox, Amazon S3等を利用したクラウドストレージサービスです。
手元にディスクを置く必要がなく、管理もラクなのがメリットです。ディスク障害も気にする必要がありません。
しかし、法人向けサービスの多くは容量&帯域の従量制課金で、実際の請求が予測しづらく、超高額になる可能性があります。
たとえば、ディスクを1TB利用して、1日それぞれ100GBのアップロードとダウンロードを行うと、年間コストが約11,000ドル(2010年秋現在)。
自前で1TBのストレージを構築した場合の価格と比べると、かなりの割高感があります。
実際に利用している企業は料金を節約するために、自社のストレージと併用しているようです。


まとめ

個人/SOHOのストレージなら
Droboシリーズ

中規模なら
MAXSERVEなどの、本格ストレージ製品

バックアップ・リカバリの手間を減らしたい
Backupexec等を組み合わせる

無停止ストレージが必要
→EMC等のハイエンド製品

自社でストレージを設置/管理できない場合
クラウドストレージ
(※「コスト削減のためにクラウドを導入したにも関わらず、かえってコストが増加してしまった」というケースがあります。導入の際は、規模や負荷等をもとに、慎重にコストを試算しましょう。)


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