Adaptec RAIDカード ASR-71605 検証報告

この記事を読むのにかかる時間の目安: 約 1 分 52 秒

Adaptecの最新RAIDカード ASR-71605(2274400-R)の検証カードを代理店様よりお借りできましたので動作結果をご報告いたします。PCI-E 3.0の規格で作られ、1GBキャッシュを搭載。ロープロファイルにも対応しているのでラックサーバにも搭載できます。オプションのバッテリーを搭載することでキャッシュ有効化も可能。

本機は今まで一般的でしたMINI-SASコネクタでは無く、MINI-SAS HD という新規格のコネクタを採用しております。それによりカードのサイズは従来と変わらずコネクタの数を増やすことが出来ます。HDDの接続台数を増やすことでRAIDパフォーマンスを大きく向上できます。もちろん容量も大きく増やせます。大容量高速ストレージを構成する場合には今後の主流になる規格でしょう。

このように4つ付いていますので16台のドライブを認識可能。

 

このカードを今回はPrimergy TX100S3 Xeon E3-1220V2搭載機に搭載して見ました。

本来はPCI-E 3.0へ搭載したかったのですが、何故か認識しません。TX100S3で正式サポートしているカードでは無いのでこの辺はあきらめて一段下のPCI-E2.0のスロットに搭載。

 

今回はRAIDカードのパフォーマンスを使ってどれだけストレージの速度を上げることが出来るか試すことが目的でした。以前、TX100S3でも使用しましたMB994SP-4S を2台利用して8台の2.5インチベイへCrucial製のSSD M4 256GBを搭載しました。8台でRAID0を構築。約1.8TB認識。

 

ここまでは特に問題無く構成出来ました。いよいよOS上での検証です。OSはWindowsServer2008R2を使用。ドライバはAdaptecのサイトよりダウンロード可能です。

まずはベンチマークとしてポピュラーなCDMを使用。

デフォルトの設定ではReadcache、WritecacheともにDisable なので、変更無しで計測。

なかなかの速度が出ました。シーケンシャルは普通ですが、4KQD32のWriteが高速です。174004.8 IOPS ですのでSQLServerなど大規模DBで相当なレスポンスが期待できる値です。HDDではあり得ない値です。

 

続いて、Readcache、WritecacheをともにEnableに変更してみました。本来はバッテリーをつけて行いますが今回は実験ですので強制的に行いました。

シーケンシャルの値がものすごいです。Read 3,000MB/s越えは初めて見ました。Writeの2,000MB/sオーバーも驚異的です。ですが、4KQD32のWriteが大きく落ちてしまいました。30953.6 IOPSですので他のRAIDカードとそれほど変わりがありません。

 

以上の結果から、今回のadaptecのカードは相当なパフォーマンスを秘めているようです。キャッシュを有効化することは必須なのでバッテリーは追加購入された方が良いです。今回のようなSSD 8台でのRAID0を運用レベルで行いますとデータロストの危険がありますので必ずバックアップを取りながら実施してください。用途に合わせてストレージ領域を使い分ければ大幅な時間短縮となります。


コメントは受け付けていません。