Nytro MegaRAID CacheCade 作成方法

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Nytro MegaRAID CacheCadeの作成を行ってみましたので、作成方法についてレポートします。

まず、Nytro MegaRAIDのボードをPCI-Expressスロットに搭載し、BIOS、またはuEFIにて搭載したPCI-Expressスロットに対するOption ROMをEnableに変更し、マシンを再起動するとRAIDコントローラのROMが展開されますので、Ctrl + H という表示が出たらCtrlキーとHキーを同時に押下し、Nytro MegaRAIDのWebBIOSを立ち上げます。

左側にメニュー、右側には接続されているドライブが一覧で表示されます。今回の場合、

SAS20BPという黒い文字から上がNytro MegaRAIDのSSD領域、下が前面のスロットに搭載した600GB SAS HDDが表示されています。Unconfigured Goodという表示があれば、正常に認識されていて、どのRAIDシステムにも属さないことを示しています。

それでは、まずは上に表示されている2つのSSD領域をCache-Cade用の領域として定義していきます。

左側のメニューから、Configuration Wizardを選択して、Configurationを行います。

New Configurationを選択してNextを押下します。New Configurationを選択すると、既存のRAIDシステムをClearした上で新規にRAIDシステムを構築します。既存のRAIDシステムを残したまま、別のRAIDシステムを追加する場合には、Add Configurationを選択してください。

既存のRAIDシステムはClearされるという注意を促す文章です。今回は既存のRAIDシステムは無く、真っ新な状態からのRAIDシステム構築ですので、Yesを押下してそのまま進めます。

先にCache-Cade領域を定義しますので、下のCache-Cadeのチェックボックスにチェックを入れてNextを押下します。

SSDのみ左側のウィンドウに表示されます。今回のNytro-MegaRAIDには、100GBの領域が2つあります。100GBのSSDが2台あるように表示されていますので、2つとも選択してAdd To Arrayを押下します。

Drive Groupが作成され、右側のウィンドウに表示されました。右側に選択したドライブが表示されていれば、そのままAccept DGを押下します。

Nextを押下して次に進めていきます。

先ほど作成したDrive Groupが、そのまま左側のドロップダウンに表示されます。Select Arrayを押下します。

Select Arrayを押下すると、右側に選択した領域が表示されます。Nextを押下して次に進めていきます。

Cache-Cade領域をRAID0、RAID1のどちらのRAIDレベルで構築するか、また、Write Backモード、Write Throughモードのどちらで動作させるかを設定します。今回はRAID0のWrite Backモードで構成しています。Cache-Cadeの領域はあくまでもCacheですが、RAID0でWrite Backモード動作とした場合、いずれかのSSD領域がFail状態となると、書き込みデータの損失が発生する可能性がありますので、ご利用のシーンと重要性に合わせてご選定下さい。

前述の通り、RAID0でWrite Backモード動作させた場合にデータ損失の可能性がある旨の注意文が表示されます。今回はテスト環境ですので、Yesを押下して進めていきます。

右側にCacheCade領域が出来上がりました。Nextで次に進めます。

領域が出来上がっていることを確認し、Acceptを押下します。

ConfigurationをSaveしますので、Yesを押下します。

トップ画面に戻ると、SSD領域がCacheCade領域として定義されていることを確認できます。

次に、CacheCadeを適応させる実際のデータドライブ(Virtual Drive)の定義を行っていきます。左側のメニューから再びConfiguration Wizardを立ち上げます。

Add Configurationを選択し、Nextを押下します。先ほどCacheCade領域を定義した時のように、New Configurationを選択すると、定義したCacheCade領域がClearされてしまいますのでご注意ください。

実際に使用するデータドライブ(Virtual Drive)の定義を行いますので、Virtual Drive Configurationを選択し、Nextを押下します。

Manual Configurationにチェックを入れ、Nextを押下します。

今回は600GBのSAS HDDを4本搭載しています。4本でRAID5を組みますので、左側のウィンドウに表示されているドライブ全てを選択し、Add To Arrayを押下します。

右側に選択したディスクが表示されていることを確認し、Accept DGを押下します。

Drive Group0の次に、Drive Group1として定義されました。Nextを押下して次に進めていきます。

全画面で定義したDrive Group1がドロップダウンに表示されていることを確認し、Add to SPANを押下します。

右側のウィンドウに対象の領域が表示されていることを確認し、Nextを押下します。

作成するVirtual Driveの容量、ポリシーを設定していきます。今回は、CacheCade領域のパフォーマンスを直に確認するため、Virtual DriveのWrite PolicyはWrite Throughに設定しています。

このWrite Policyの設定は、先ほどのCacheCade領域とはまた別に、RAIDコントローラの揮発性メモリの動作に関する設定項目です。Write Backに設定することで、CacheCade領域よりも前にある揮発性メモリでデータを蓄えることが出来、より書き込み性能の向上が期待できますが、その反面、RAIDコントローラにバッテリが搭載されていない場合には、意図しない突然電源断によるデータロストの危険性が高まりますので、こちらのポリシーに関しましてもご利用のシーンと重要性、加えてバッテリの有無も鑑みてご設定ください。

Write Throughでは書き込み性能の向上が期待できない旨のメッセージです。Write Backに設定されている場合には、データ損失の危険性に関するメッセージが表示されます。Yesを押下して進めます。

右側のウィンドウにVD1が作成されたことを確認し、Nextを押下します。

選択されているドライブ、定義されたDrive GroupとVDの関係が表示されます。問題無ければAcceptを押下して進めます。

ConfigurationをSaveしますので、Yesを押下します。

最後に、CacheCade領域をどのVirual Driveに対して機能させるかを選択する画面が表示されます。今回はVD1しかありませんので、Virtual Drive:1が表示されていますが、VDが複数存在する環境では、複数表示されます。Enableを押下して、ただいま作成したVirtula Drive:1に対してCacheCadeを機能させます。

作成したVD1の初期化を行うか否かを選択する画面です。初期化を行う場合にはYesを押下して進めます。今回はYesを押下して進めます。

上記の画面の左側に進捗を表すバーが表示されます。ここで行われる初期化は、クイック初期化ですので、数秒で完了します。初期化が終わると上画面のように左側は空白、右側にVDが表示される画面となります。左下のHomeを押下し、トップ画面に戻ります。

これでCacheCade領域、VDの作成、CacheCade領域と動作させるVDの紐付が完了しました

CacheCadeが最大限生きるシーンは、Webサーバなどの同じデータが頻繁にリード要求される環境であると考えています。頻繁にリード要求されるデータのことをHotSpotと呼びますが、このHotSpotデータがどの程度ご利用の環境に存在するかによって、どの程度CacheCade領域が必要かは異なってきます。今回ご紹介したNytro MegaRAIDでは、RAIDコントローラ上にSSDが直接配置されている製品ですので、容量のカスタマイズは出来ませんが、MegaRAIDシリーズではサーバに搭載したSSDをCacheCade領域として定義出来る製品もございます。当店では様々なニーズにお応え出来ますので、是非ご利用下さい。

なお、ご利用の環境でHotSpotデータがどの程度存在するかを確認できるツールがMicrosoftにて公開されておりますので、ご参考までにご紹介いたします。

http://www.microsoft.com/en-us/download/details.aspx?displaylang=en&id=8442


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